ローンは悪いのか?目的ローンと目的なしローンの違いを知ろう


導入

「ローン」と聞くと、なんとなく“借金=悪いもの”というイメージがありませんか?

確かに、返済に追われて生活が苦しくなっている人のニュースを耳にすると、「やっぱりローンは危険だ」と感じるのも自然です。
でも実際には、住宅ローンや教育ローンを組んでいる家庭は日本中にたくさんあります。

例えば、「乗用車市場動向調査」(日本自動車工業会)によると、車をローンで買う人の割合は全体の3割から4割程度となっています。つまり、ローンを利用するのはごく普通のことなんです。

ではなぜ「ローン=悪い」というイメージがつきまとうのでしょうか?
そこには、ローンの種類による大きな違いが関係しています。

本記事では、目的ローンと目的なしローンの違いをわかりやすく整理し、ローンと上手に付き合うための考え方をお伝えします。


目次

  1. ローンは本当に悪いもの?
  2. 目的ローンとは
  3. 目的なしローンとは
  4. 両者の違いを整理しよう
  5. データで見るローン利用の現実
  6. ローンとの上手な付き合い方
  7. 借りる前に考えたいチェックリスト
  8. まとめ:ローンを味方にする思考法

1. ローンは本当に悪いもの?

日本人は昔から「借金は悪」という価値観を持ってきました。
親世代から「借金はするな」と言われた経験がある人も多いでしょう。

しかし現実を見れば、多くの家庭がローンを活用しています。
マイホーム購入、子どもの教育、車の買い替え…。まとまった資金が必要になる場面では、ローンを使うのが一般的です。

1世帯あたりの借入金はいくらくらい?(生命保険文化センター)でも、20代〜50代が世帯主の家庭では4人に1人がローンを利用しているという結果が出ています。
つまり、ローンは「悪」ではなく、生活の一部なのです。


2. 目的ローンとは

主な種類

目的ローンとは、使い道があらかじめ決まっているローンです。

  • 住宅ローン:マイホーム購入のため
  • 教育ローン:大学や専門学校の学費のため
  • 自動車ローン:車の購入資金のため

特徴

  • 金利が低めに設定される(住宅ローンは1%〜2%前後が一般的)
  • 金融機関の審査が厳しめ(収入や勤務先を確認)
  • 長期的な返済計画を立てやすい

目的ローンは「将来への投資」に使うため、比較的ポジティブな借入れといえます。


3. 目的なしローンとは

一方で、使い道が自由なローンもあります。

主な種類

  • カードローン
  • フリーローン
  • キャッシング
  • リボ払い(リボルビング払い)

特徴

  • 金利が高め(消費者金融系は年15%前後)
  • 少額から借りやすい
  • 生活費の補填や浪費に使われやすい

特にリボ払いは注意が必要です。
日本クレジット協会のデータによると、リボ払い利用者の約4割が「返済が長引いて困った経験がある」と答えています。
目的がないまま借りると、返済総額が膨らみ、家計を圧迫する原因になります。


4. 両者の違いを整理しよう

項目目的ローン目的なしローン
使い道決まっている(住宅・教育など)自由
金利低い(1〜5%程度)高い(10〜15%前後)
審査普通〜厳しめ緩め〜普通
将来性資産形成・投資につながる浪費につながりやすい
計画性立てやすい崩れやすい

こうして比べてみると、同じ「ローン」でも性質がまったく違うことがわかりますね。


5. データで見るローン利用の現実

「うちはローンなんて無縁」と思っている人でも、実は関わっていることがあります。

住宅ローン

住宅金融支援機構「住宅ローン利用実態調査」(2024年)によると、

  • 住宅購入者の約7割がローン利用
  • 平均借入額は約3,500万円
  • 平均返済期間は35年

教育ローン

文部科学省の調査(2023年)では、私立大学に4年間通うと学費は約500万円必要とされています。
日本政策金融公庫の「教育ローン」を利用する家庭も増えており、2023年度の実績は約9万件

カードローン

日本銀行の調査(2023年)によると、消費者向け無担保ローン残高は約5兆円
その多くがカードローンであり、生活費や趣味に充てられています。

つまり、ローンは誰にとっても“身近な存在”なのです。


6. ローンとの上手な付き合い方

ローンを「敵」にするか「味方」にするかは、考え方次第です。

  • 目的を明確にする:「なぜ必要なのか?」を言葉にする
  • 返済計画を立てる:月収に対して無理のない範囲か確認
  • 繰上返済を視野に入れる:余裕があるときに元本を減らす
  • 借入先を吟味する:信頼できる金融機関を選ぶ

特に住宅ローンでは「返済負担率(年収に対する返済割合)」を意識することが大切です。
金融庁は返済負担率は年収の25%以内を推奨しています。


7. 借りる前に考えたいチェックリスト

ローンを組む前に、次の質問に「YES」と答えられるかチェックしましょう。

  1. 本当に必要な支出か?
  2. 無理のない返済計画か?
  3. 金利や手数料を理解しているか?
  4. 他のローンと重ならないか?
  5. 返済後の生活に余裕が残るか?

この5つを確認すれば、ローンに振り回されるリスクを大幅に減らせます。
特に、「借りられる金額」≠「返せる金額」考え方は非常に重要です。


8. まとめ:ローンを味方にする思考法

ローンは「悪」ではありません。
ただし、目的なしローンは家計を苦しめやすいため要注意です。

逆に、住宅や教育のように将来の資産や人材育成につながる目的ローンは、人生を前に進める力になります。

大切なのは、ローンを「ただのお金の借り入れ」ではなく、ライフプランを実現する手段と捉えること。
借りる前に立ち止まり、計画を確認するだけで、ローンは強力な味方になってくれます。

あなたもぜひ、ローンに対する見方を少し変えてみませんか?
「ローン=怖いもの」ではなく、「ローン=賢く使う道具」と考えることが、家計に安心をもたらす第一歩です。

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